2010年3月9日火曜日

ミルンヤンマ Planaeschna milnei (Selys)(ヤンマ科)









ミルンヤンマ♂/♀/幼虫 (撮影:佐野)
ミルンヤンマ Planaeschna milnei (Selys)(ヤンマ科)
[漢字]:ミルン蜻蜒
[神奈川県レッドデータブック2006]
要注意種
[侍従川においてのランク]
 ☆☆☆
[国内分布]
 北海道、本州、四国、九州
[体長・形態]
 約7cm。コシボソヤンマに似るが、ひとまわり小さく、腰のくびれもコシボソヤンマほどではない。幼虫は頭部の後ろに刺がないことからコシボソヤンマと識別できる。
[生息地と生態]
丘陵地から山地の森林に面した源流域に多い。6月下旬から羽化が始まり、11月までみられる。9月から10月が最盛期である。黄昏時に飛翔し、人間の視野ではほとんど見えないくらいの暗さまで飛び続ける。
[侍従川においての分布と現状]
 侍従川では本流の源流域と支流である蛍谷戸・大道渓谷の3ヶ所で幼虫が確認されているが、近年は減少傾向にある。特に蛍谷戸・大道渓谷では確認されない年もあり心配されている。本流の源流域でも2008年の調査では成虫♂2頭しか確認されなかった。
[トピック]
 2008年、私は地元でひっそりとミルンヤンマの調査をしていました。夕方網を持って出かけて行き、真っ暗になるまで網を振りまわします。もう日が落ちかけた源流域の暗い川辺で待っていると、僅かに開けて光が射し込む場所にミルンヤンマは上から落ちてくるように現れます。もう暗くて何かがジグザグと小刻みに飛んでいるようにしか見えない中、遠近感と間合いをつかんで網をふります。「カシャッ」と、トンボが網に入る音がした時、思わず一人でガッツポーズをしてしまいました。

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